昨年から徐々に広がり始め、WHOからもパンデミックに近い状態と判断されている「新型コロナウイルス肺炎」ですが、基本的には感染予防が重要です。

私も都内の施設やご自宅へ訪ねる際には気をつけていますが、うがい・手洗いが何よりの予防と考えています。

しかし、「手洗い」「うがい」と言っても、その方法やどのくらいの時間すれんばよいのか、そしてどのくらい効果的なのかについては、実際どうなのでしょうか?

そこで、今回は「ウイルス感染予防に効果的な手洗い・うがいの方法」について調べてあります。

普段から、衛生面には気をつけていましたが、調べてみるとより効果的なものであることを知ることができました。

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普段からの手洗いはいかがですか?

正直、私は、医療関係の大学に入る前までの「手洗い」は、数秒間で水でぬらして、流す程度でした。今思うと不衛生と思うのですが、知識がないということはそういうことなので、あの時は知らなかったと今は割り切っています。

海外のデータになりますが、学童の石鹸による手洗いは全生徒数の4%程度とかなり低い状態でした(後に、追加の手洗い教育や動機付けによって74%程度まで改善)。手洗い習慣があまりないということがわかります。

冬の時期ではインフルエンザ、夏時期は食中毒(ノロが多いです)に注意が向けられるたびに、衛生面を注意喚起をあちらこちらしていますが、今回、世を騒がせている新型コロナウイルスの感染が懸念もあって、大規模なショッピングセンターや映画館、医療・介護施設では消毒を設置してあり、多くの人が利用されてます。

消毒のないところもある場合はどうしましょう?


「手洗い」がおススメです。

洗面のあるところでは、せっけんを使う人は意外と少なく、手洗いの時間も数秒という人を多くようにも思えます。また、濡れた手をハンカチやタオルを拭くもことなく、そのまま整髪する方もいますが、ウイルス予防としては効果的ではありません。

たしかに消毒も有効ではありますが、常にあるわけではないので、そんなときは「手洗い」がインフルエンザやコロナウイルスによる肺炎、またノロ感染症など、ウイルス性の伝染性疾患を予防するために大事な手段の一つとなります。

水だけの手洗いは効果あるの?

石鹸なしでの手洗い効果はあるのか?
と思う方多いと思いますが、それを調べた研究結果がいくつかあります。

結果からまとめると

  1.  15秒間の流水のみの手洗いで、ウイルスを
      1/100にできる。
  2.  泡だて15秒後、すすぎ時間15秒・30秒・
      60秒の比較では、60秒がウイルス除去効果
      が大きい。
  3.  すすぎ時間は長いほどウイルス除去効果は高
      い。(流水:手のひら120秒、指先60秒)

ということで、手洗いの流水でも効果あります。手持ちの石鹸などがない場合、最低でも15−30秒ほどの流水での手洗いは効果的であると言えます。

手洗いによるウイルス除去効果について

より効果的な「手洗い」は!

より、手洗いの効果を上げるのは「せっけん」を使うことです。消毒剤併用も除菌効果が高いと言われていますが、消毒剤を頻回に使用することで、返って手の皮膚を荒れさせてしまう原因となってしまい、手荒れが細菌を培養してしまう温床にもなってしまい、衛生環境を悪化させてしまうことにもなってしまいます。

ここでは石鹸での手洗いをお勧めとして上げたいと思います。

石鹸+洗い方+流水の効果を検証したものによると

  1.  石鹸の泡立て時間8秒、15秒、30秒では、8秒
      が最も除菌効果が高い。
      この中では泡立て30秒の除菌効果は低い。
  2.  泡立て時間が長いと、指先の細菌が増える。
      (皮膚深層部の細菌が表層部にでてくる)
  3.  泡立て時間が長い場合は、流水時間を長くす
      ることで除菌効果あり。
  4.  手洗い(もみ洗い10秒+流水15秒)を2回繰
      り返して、手洗い前との比較で0.001%と
      ほぼウイルス除去できる。
  5.  手指乾燥は、ペーパーが多い方(3枚)が除菌
      効果が高い。1枚では水分が残り、除菌率も
      低く、手洗い前よりも細菌が増えてしまう。

このように、石鹸+手洗いで効果的なウイルス除去ができます。しかし、顔や髪にウイルスは付着する傾向があるので、手洗い後に清潔になった手で、顔や髪に触れてしまうと、その手がウイルス感染の媒体となってしまうので注意しましょう。

ウイルスから守る効果的な手洗い方法
手洗い方法の参考資料

森功次.Norovirusの代替指標としてFeline Calicivirusを用いた手洗いによるウイルス除去効果の検討.感染症学雑誌.Vol.80.No5
鵜飼和浩.除菌効果から見た臨床現場における「効果的な石鹸と流水による手洗いの検討」.日本看護研究学会雑誌.Vol.26.No4.p.459-466.2003
山本恭子.手洗い過程における手指の細菌数の変化から見た有効な石鹸と流水による手洗いの検討.環境感染 17(4), 329-334, 2002-11-26

まとめ

今回、ウイルスから体を守る効果的な「手洗い方法」を調べました。
消毒でも効果は無いわけないですが、流水だけでも効果はありますし、適宜行えるもので、石鹸と併用することでより効果的なものになります。

私も仕事の関係上、衛生面には気を使っていますが、正確に効果的な手洗い方法を知るは、信頼を作る一つの手立てにもなります。

自宅以外でも公共の場でも、行える効果的な感染対策の一つとして「手洗い」を覚えておくことがいかがでしょうか?


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