どうも理学療法士の廣瀬です。

今回テーマは「施設へリハビリってどうなの?」ということについて話します。

 

私は、仕事として主に都内にあるご自宅や施設を訪問しいており、その中で多いのが“有料老人ホーム”や“グループホーム”になります。ご利用前によく聞かれるのが

 

(病院以外での)リハビリってどうなの?

 

設備も機器も整っていない中でリハビリはできないと話される人もいるのですが、

 

結論で言うと “できます”

 

これには、色々な考え方があると思いますが、「広い場所」「専用のリハビリ機器」ないと、リハビリはできないというイメージがあると、想像しているリハビリとは違うものになってしまうかもしれないですね。

特殊な機械があるからリハビリっていう訳ではなくて、生活の中に出来る動作、自分の身体をどう使うかっていう動作分析・学習もリハビリの一つの方法になります。

個人的には、ロボットや機械を使ったリハビリ手法は、効率的に機能回復を図ることができる最適なツールであると思っています。ただ、何がなんでも無理矢理にでも機械を使ったリハビリが良いとは思えず、かえって動作やできていた動きを邪魔してしまう可能性もあると考えています。

 

今回のテーマである施設でのリハビリについての私の考えを話します。

 

・生活の中だからこそ発揮

なぜ、リハビリが活かすことができるのかということなのですが、施設に入居されているということは、その中が既に生活をする空間になります。ご自身の身体機能や生活動作能力に合わせて、使いやすい身体の動かし方とか、上手く歩ける方法など、ご自身で安全に何かができることをその場で考えて、練習することができるのです。

つまり、練習がそのまま自分の生活に役立つこととなり、リハビリ成果が1番目に見えやすくなる!ということになります。

 

・多職種と連携が図れる

リハビリって、どうしても運動などが主についてしまいますけど、リハビリをする専門職が1人いるから大丈夫ってことはなくて、実はそれはリハビリとしては成り立たないと僕は思っています。リハビリに関係する医療従事者って医師・看護師・介護職・ソーシャルワーカー(社会福祉士)・ケアマネジャー(介護支援相談員)、管理栄養士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・義肢装具士などがいて、これら多職種との協力があることでリハビリが円滑・確実に進むと考えています。

病院ではないということで、違うのではないかと思うかもしれないですが、役割の違いがあるだけでリハビリを生活の中に活かすという点では、変わりありません。施設だからこそできるとも感じているところもあります。また、「24時間スタッフがいる=終日の生活のことを知っている人がいる」と言うことは、生活の中でリハビリをする上で、多職種の連携に活かせる。

施設のスタッフと普段の生活状況については話をきくことで、普段の生活ではこういう出来るか出来ないことの把握をして運動内容を検討することもできます。また、スタッフからの相談で、ケアの方法やできる運動について、役立つ提案についての意見交換もできるようになります。

 

・リハビリの目的が明確

これは最後の話になりますが

 

「リハビリの目的って何ですか?」

 

と話をするのですが、回答の多くは「リハビリがしたいです」。私が提供しているリハビリサービスの中で最初に気をつけていることは「リハビリをすること」が目的ではないことを確認することです。

つまり、リハビリをして何がしたいのかということを予測・確認をします。もちろんリハビリを受けることには変わりないのですし、単に健康のためにリハビリがしたいって方もいますが、健康のためにリハビリしている方と話していると、実はその先に目的があることおも多々あります。

“外に歩きたい”“膝が最近痛いからこれが悪化しないように”など、実は具体的な目標を持っているのですが、当初の目的が「リハビリ」に置き換わっているということです。会話を重ねていくことで本当の目的が見えてくる部分でもあります。

また、施設で過ごされる方は、スタッフからお客様として迎えられることが多く、つまりは介護サービスを提供されているという意識もすくなからず持っており、サービス受ける側としては、自分の事はよく自分でしたいという気持ちがあるのも間違いありません。なので“ご飯は自分で食べたい”、“トイレは自分で行きたい”、“ここまで歩いて行きたい”など自分でしたいことが明確になっています。この顧客ニーズをリハビリの目標として捉えても良いのではないかと思っています。

 

今回、施設でできるリハビリ私が感じる3つポイントを話しました。私がサービスを提供する際には、これらのポイントにして施設でのリハビリサービスを展開することが多いです。

しかしながら、みなさんが考えているリハビリ内容ももちろん行っていますし、リハビリをする目的のその先に本当の目的が実はあることも考慮していることを知っていただきたいと思います。

 

私があちらこちらの施設を回って思うのは、ご利用されている方の施設のスタッフを自分の子または孫のように接することもありますし、スタッフも自宅のように安心して生活ができるようにと、日々のケアに勤しんでいます。

リハビリはこの生活を安全により豊かにするためのツールとして、利用できるものではないかと考えています。

 

ぜひ、施設で行うリハビリについて、色々とご意見などがありましたらください。私もまだまだ施設でのリハビリの可能性について、考えていきたいと思います。

 

施設でのリハビリの相談などありましたら、いつでもどうぞ!