2年に1度の「診療報酬改定」時期になりました。2020年2月7日厚生労働省の中央社会保険医療協議会で2020年度診療報酬改定案を了承されましたので、簡単に内容を確認していきます。
これが、今回の診療報酬改定の方針となっています。
ー改定に当たっての基本認識ー
○ 健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
○ 患者・国民に身近な医療の実現
○ どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、
医師等の働き方改革の推進
○ 社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和(厚生労働省:令和2年度診療報酬改定の基本方針より)
基本方針:健康寿命の延伸、人生 100 年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
高度に進んだ医療技術を扱う最高峰の医療従事者により、延命や病因の特定ができるようになってきました。結果、平均寿命の延びており、人生100年時代を迎えようとしています。
寿命が延びるということは、喜ばしいことであるものの、「生き方」については含まれてません。そして、人口構成から見てみれば、生産年齢人口の減少、健康寿命と生命寿命との乖離、そして人口減少が確定的な因子で予測されているようです。
–これは筆者の考え–
私たちが、早急な課題とし取り組まないといけないのが「健康寿命」の延長であると考えられています。高齢者(65歳以上が定義)が、意欲的で役割もって活躍できる社会の実現が必要となっているのです。別に死ぬまで働くということではなく、人は体を動かし、考えることをしていないと「その人らしく生きる」ことができないということです。
これは同時に、少子化問題の解消にも繋がるのではないかと考えています。正確な経験と知識を持った方達が、経済や社会的強化を図るという限られたものできるということではなく、これから生産する世代を支えることができるような仕事があるのではないかと思っているからです。
単に、2025年問題や2045年問題への医療体制を考える保障だけではなく、一人一人が予防・健康作りを啓蒙できるように広め、心身の健康作りの一つとして、社会の一員として貢献できるような体制を作ることが必要になってくると考えています。
基本方針:
○ 患者・国民に身近な医療の実現
○ どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会実現、医師のなどの働き方の推進
やはり、病院は病気になってから・・・と思いますが、いざ病気になった時に、どこに行けば? と悩む方は多いようです。つまりは、医療従事者にとっては当たり前のことでも、それ以外の人はとても遠い存在であるのが医療なのかもしれません。
必要な人にとって、分かりやすい医療が住み慣れた場所にあることも同様ですが、外出先や仕事先でも、必要時に確実に対応ができる身近な医療であることによって、活動範囲の拡大や活躍の幅を広げるための、安心の材料になるのではないでしょうか?
まずは、その地域の実情や特性に応じて、住み慣れた地域でその方の心身状態に応じて日常生活を過ごせる介護・医療システムの構築、「地域包括ケアシステム」の機能が、医療機関と連携していけることからが重要になってきます。
これに応じた人員の確保が必要ですし、今後生産人口減少が確定されている中から考えると、医療としては総合的に診療できる体制を整備していくとともに、働き手の人材が疲弊しないような、負担軽減・IoTなど様々な技術の利用していく必要があると思います。
ご存知の通り、地域包括ケアシステムは、概ね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定されていますが、活動範囲や活躍する場を考えるのであれば、自治体単位で地域包括ケア連携システムが望まれる筆者は考えています。
基本方針:
○ 社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政の調和
日本は寿命が延びてきたことは、この国民皆保険制度が要因のひとつであると思っています。これにより、日本中どこでも必要な医療を受けることが出来るようになり、病気に対して一定の水準を治療が提供されます。しかし、この保険制度を維持していくためには、必要・必要な医療における治療を明確にし、限りある医療資源を効率的に行う必要があります。そのためには、適切な病院・医療評価と同時に利用する側の意識の改革が必要になってくるのではないでしょうか。
かかりつけ医および歯科医、薬局の利用を進めていますが、受ける側にとって負担が少なくなるような治療方針・薬物療法の管理などを適正化していくことで、長期にわたる疾患へのフォローにもなり、安心・安全の医療を提供することにつながることをなります。
また、これは筆者の考えになりますが、一方的な医療提供だけではなく、疾患への理解を深めるための疾患・健康への予防疾患との付き合い方を知るような取り組みも、この医療保険制度としてできるのではないかと思います。
戦後の1950年代の日本は、国民の約3000万人が無保険者と言う時代があり、社会問題となっていました。1958年に国民健康保険法が制定され、1961年に全国市町村で国民健康保険の事業が取り行われ、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる体制が確立しました。日本の国民医療費の総額は、毎年1兆円を超えるペースで増え続けており、国民皆保険制度を計測していくことも難しくなってきている現状となり、早急に取り組むべき課題でもあるのです。
日本の医療制度の今後の課題
2025年には団塊の世代が全て後期高齢者となり、2040年には団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者になることから、日本は、超高齢化社会の入り口に現在立っており、社会を支える基盤となる生産年齢人口が減少し、日本の人口減少する時代を迎えようとしている。
この時代をその人らしく生活することを踏まえて、地域に生きる一人一人が尊重され、その可能性が最大限に発揮できる「地域共生社会」の実現への取り組みを行うように進められている。この共生社会を実現すべきこととして、私たちが健康自身も健康であるということへの理解をしなくてはならないと考えています。
早急に解決しなてはならない「全世代型社会保障」を達成していくためには、様々な課題を抱えている医療制度について、診療報酬、医療法、医療保険各法等の制度的枠組みを理解し、総合的な政策に沿った行動が必要であると思います。
私たちの生活が様々に多様化するように、個々人にとって安心・安全な医療を実現し、健康を育めるような教育を障害計画で行っていくとともに、診療報酬制度について、だれでもわかるようにしていくことが必要であると思います。
この流れを前提に、今回の医療報酬の流れとリハビリ関連事業に関わるところを説明していきたます。